「明治の法律少女が、令和の引きこもりハッカーの部屋に降ってきた!?」
正義感ゆえに崖から突き落とされた、明治のリーガルガール・橘彩華。
迷宮入りしたはずの彼女の運命は、時空を超えて令和の時代へと繋がっていく──。
異色のバディが織りなす『電脳の竜と白理の狼』、待望の第2話です!
物語が大きく動き出す前に、まずは全ての始まりとなった第1話のあらすじを振り返っておきましょう。
■ 第1話あらすじ
弓道を習う後輩がいじめられている現場に遭遇した明治のリーガルガール・橘彩華(たちばないろは)。
毅然と助け出したものの、逆恨みした加害者の上級生たちに付け狙われ、崖上の橋から突き落とされてしまう。
父親の懸命な捜索も虚しく、彩華は見つからぬまま事件は迷宮入りに。
しかし、誰も知らないところで突如として時空の歪みが起こり、彼女は違う世界へと吸い込まれてしまうのだった…
神城綾音の脳内プロット:第2話「交錯する電脳の竜と白理の狼 〜異空間からの落下者〜」

「もう駄目……お父様、ごめんなさい……お父様……」
死を覚悟し、崖下へ真っ逆さまに突き落とされた橘彩華。しかし、突如として空間に現れたワープホールが彼女を吸い込みます。
激しい光を抜けた先、気がつくと彼女は全く見たこともない未知の世界へタイムリープを果たしていました。
それも、令和の引きこもり青年・神城綾音の自室の天井から、彼のベッドへと真っ逆さまに落下する形だったのです。
──ドスン……!
いきなりの衝撃音に、パソコンのモニターを見つめながら考え事をしていた綾音は驚き音の鳴ったベッドへと振り返ると、そこには、見ず知らずの(時代錯誤な格好をした)少女が…
ベッドに横たわる彼女の姿に、綾音は何が何だか分からず大混乱!
不審者への警戒から、綾音は彩華に向かって「お前誰だ!」と厳しく食ってかかりました。
一方の彩華も全く状況が飲み込めず、「待って……ここは一体どこ? 私は死んだのではないの?」とパニック状態で意味不明な発言を繰り返すばかり…
その異様な怯え方に、綾音もハッと我に返り、一度冷静さを取り戻しました。
「ここは俺の自室だ。だが、なぜお前がここにいる? そもそも、お前は何者なんだ?」と、改めて彩華に問い質します。
何が何だか分からないながらも、彩華は自分が何者であるかを名乗り、突如現れたワープホールに吸い込まれてこの部屋にやってきたという事実を告げました。
彼女を襲ったのが「いじめを止められたことを逆恨みした上級生たち」であること、そして崖から突き落とされたという凄惨な過去も。
あまりに荒探無稽な話に、最初は疑いの目を向ける綾音。
しかし、彩華の必死な熱意、そして何より「正義感ゆえに理不尽な暴力を受けた」という彼女の境遇が、綾音自身の固く閉ざした心を激しく揺さぶります。
実は綾音もかつて、いじめられていた生徒を救った末に加害者たちのターゲットにされ、引きこもりになったという深い傷を抱えていたのです。
目の前で絶望している彩華の姿は、あの時の自分、そして社会の理不尽さに泣き寝入りさせられた自分たちの姿そのものでした。
(チッ……クソが。どこの時代も、やってることは同じかよ。……ここでコイツを放り出したら、俺はあの時の奴らと同じになる)
身元不明の彼女をどう扱うべきか、ハッカーである綾音も頭を抱えますが、どうしても彼女を放っておくことはできませんでした。
彩華のことをどう対応していいかわからず、綾音が頭を抱えている中、彩華も明治の自宅に帰りたいと切に願い涙をこぼします。
とはいえ、現代の技術をもってしても、元の時代に戻る方法などどうにもならず、もどかしい思いをする綾音…
しばらく互いに考え抜き、部屋に重苦しい沈黙が流れた末、綾音は少しぶっきらぼうに、しかし確かな決意を秘めて、彩華に対して「とある提案」を切り出すことになるのです──。
「……なあ。どうにもならない現状を嘆いてたって進まねえだろ。橘彩華、お前に一つ、提案があるんだが」…
第3話へ続く
【第2話ストーリー】「交錯する電脳の竜と白理の狼 〜異空間からの落下者〜」

「もう駄目……お父様、ごめんなさい……お父様……!」
死を覚悟し、崖下へと真っ逆さまに落ちていく橘彩華。しかし、地面に激突する寸前、空間に突如として歪な輝きを放つワープホールが出現し、彼女の身体を吸い込んだ。
激しい光の奔流を抜けた先。気がつけば、彩華は全く見覚えのない未知の世界へとタイムリープしていた。 それも──令和という時代の、とある薄暗い一室へと。
ドスン……!!
「うおっ!? な、なんだ!?」
パソコンのモニターを見つめ、キーボードを叩きながら考え事をしていた引きこもり青年・神城綾音は、背後からの凄まじい衝撃音に飛び起きた。
慌てて振り返ると、さっきまで誰もいなかったはずの自分のベッドの上に、見ず知らずの少女が横たわっている。しかも、時代錯誤な袴姿の美少女だ。
「お前……誰だ! どこから入ってきた!?」
警戒度マックスで食ってかかる綾音。一方、落下の衝撃で頭をさすりながら起き上がった彩華も、周囲の光景に目を丸くし、完全にパニックに陥っていた。部屋中に並ぶ光る精密機器、見たこともない家具、そしてトゲのある態度の奇妙な青年。
「待って……ここは一体どこなのですか? 私は確か、崖から落とされて……。私、死んだのではないのですか!?」
「は? 崖? 何言ってんだお前、ここは俺の部屋だ!」
錯乱状態の彩華に、綾音は一度深呼吸をし、頭をガリガリと掻きながら少し冷静さを取り戻す。
「……一回落ち着け。ここは俺の自室だ。不法侵入じゃなさそうだし、天井から降ってきたみたいだけど……何故お前がここにいる? そもそも、お前は誰なんだ?」
目の前の青年が、不器用ながらも自分を害そうとしていないことを察した彩華は、を正した。明治のリーガルガールとしての気品を保ち、怯えを隠しながら素性を明かす。
「私は橘彩華。……信じていただけないかもしれませんが、私は逆恨みをした上級生たちに襲われ、崖から落ちる途中で『光の穴』に吸い込まれたのです。そして気がついたら、ここに……」
あまりにも荒唐無稽な話に、最初は鼻で笑おうとした綾音。しかし、彼女の衣服の汚れ、必死で嘘偽りのない真っ直ぐな瞳、そして何より「自分の目の前で天井から降ってきた」という事実が、その言葉を裏付けていた。
(嘘はついていない……というか、ドッキリにしては手が込みすぎてる。マジで過去から時空を超えてきたってことか?)
綾音は凄腕のデジタルハッカーだが、さすがにこのオカルト現象には頭を抱えるしかなかった。
「明治に帰りたい……お父様が心配しています。どうにかして、元の場所に帰る方法はないのでしょうか……!」
涙を浮かべて訴える彩華だったが、現代の科学(そして綾音のハッキング技術)をもってしても、タイムトラベルの制御などどうにもならない。
沈黙が部屋を支配する。絶望に暮れ、俯く彩華。 そんな彼女の姿をしばらく見つめていた綾音は、ふと何かを思いついたように、モニターの画面を指差した。
「……なあ。どうにもならない現状を嘆いても進まねえ。とはいえ、手をこまねいても仕方ねぇ… そこで、お前に一つ、提案があるんだが」
「提案……ですか?」
顔を上げた彩華に、綾音は少し不敵な笑みを浮かべて見せた。ここから、デジタルハッカーと明治のリーガルガールという、前代未聞の二人の共同生活と、新たな事件への幕が上がるのだった──。
(第2話 終わり)
次回予告

時空を超え、令和の天井から降ってきた明治のリーガルガール・橘彩華。
突如として始まった電脳ハッカー・神城綾音との衝撃的な出会いは、混乱と警戒に満ちたものでした。
しかし、互いに「正義ゆえに理不尽に傷ついた」という似た境遇を持つ二人。
いつしか奇妙な共鳴が、頑なだった彼らの心を動かしていきます。
沈黙の末に、綾音が彩華へと切り出した「とある提案」──。ここから、時代も属性も正反対な二人の、前代未聞の共同生活が幕を開けます。
次回、第3話『始動する裏の組織 〜電脳の竜と白理の狼、結託す〜』
動き出す運命の歯車を、ぜひお楽しみに。
まとめ
『電脳の竜と白理の狼 〜デジタルハッカーと明治のリーガル・ガール〜』第2話、いかがでしたでしょうか。
令和と明治、孤独な電脳ハッカーと規律を重んじる法律少女──。
生きる時代も属性も全く異なる二人の邂逅(かいこう)は、一見するとただの偶然のようかもしれません。
しかし、強い正義感を持ちながらも、悪に立ち向かったがゆえに理不尽な目に遭ってしまったという「同じ傷」を持つ二人だからこそ、運命が引き合わせた必然だったのかもしれませんね。
次回、二人の関係性はさらに深く、そして強力に結びついていくことになります。
異色のバディが紡ぐこれからの顛末を、ぜひ最後まで見届けていただければ幸いです。
それでは、今回はこの辺で。




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