CPU、GPU、NPU…関係性が一目でわかる!ナンバリングがニュースによって違う深いワケ

PC(パソコン)

これまでIT機器の「頭脳」を一手に司ってきたCPU

しかし、AI時代の突入や高画質ゲームの普及によりCPUの負担は爆発的に跳ね上がり、今や1つの頭脳だけで全ての処理をこなすのは不可能な時代になりました。

そこで誕生したのが、特定の作業を専門に引き受ける新たなチップセットたちです。

画面処理の「GPU」、AI専門の「NPU」をはじめ、最近では「DPU」や「IPU」といった名前まで飛び交い、「何がなんだかわからない」と混乱していませんか?

しかも、ニュースによって「第3」・「第4」と割り振られるナンバリングがバラバラなため、余計に全体像が見えづらくなっています。

実際に私自身、報道ベースでバラバラなナンバリングに混乱が生じていましたが、その裏でものすごくややこしい関係性があった事実が理解でき、やっとスッキリしたところです。

本記事では、これら乱立する各チップセットの役割と、それらがどう繋がり合っているのかという「関係性」をわかりやすく徹底整理!

ニュースによるナンバリングの謎や、同じ機能なのにメーカーで呼び名が違うカラクリまで一気に見通せるロードマップをお届けします。

乱立するチップセットと、混沌のナンバリング

高画質なオンラインゲームAIによる文章作成や画像生成など、私たちの暮らしは確実に進化し、便利なものになっています。

直近でも、AppleがGoogle Geminiの技術を活用してSiriを大幅にAIアップデートしたことが大きな話題となりました。

今後ますますIT技術は進化し、私たちの生活を豊かにしていくことでしょう。

しかし、その一方で、メモリやパソコン自体の価格高騰が私たちの財布を直撃しており、決して良いことばかりとは言えないのも現実です。

さらに技術的な舞台裏に目を向けると、処理の高度化によってCPUへの負荷が限界に達しています。

その結果、グラフィック処理専門の「GPU」や、AIを専門に扱う「NPU」など、さまざまなチップセットが次々と誕生することになりました。

確かに、ここまでの3つ(CPU、GPU、NPU)なら、まだ順を追って理解できるかもしれません。

しかし、厄介なのはここからです。

一部の報道では、データセンター専用の「IPU」や「DPU」といったチップセットが登場し、それらがNPUを差し置いて「第3のチップセット」と表現されるケースまで出てきました。

おまけに、データセンターの世界では、巨大AIを動かすための「TPU」という別のチップまで現れ、それが「第4のチップセット」として紹介されたりするわけですから、もう何が何やら分からなくなるというのも頷けますよね。

実際、私自身も過去にNPUやTPUといったチップセットに関する記事を執筆したことがあります。

そうでもしなければ話がややこしくなる一方で、「どれが第3で、どれが第4なのか」が完全に見失われてしまうからです。

当時は混乱を生じさせないための苦肉の策として、登場順に通し番号でナンバリングをしたに過ぎません。

どの媒体や報道を見ても、「CPUが1番目」「GPUが2番目」であることは間違いありません。

しかし、3番目以降のナンバリングに関しては、今や完全にチンプンカンプンな状態になってしまっているのが現状なのです。

何故ナンバリングがズレるのか?「2つの世界」の複雑な関係性

「CPUが1番目」「GPUが2番目」

ここまでは、どの媒体や報道を見ても共通している事実です。

しかし、問題は第3のチップセット以降

先ほど触れたように、報道によって主役がコロコロ変わり、読者を置き去りにしたまま混乱が広がっています。

では、何故これほどまでにナンバリングがズレて報じられるのでしょうか?

結論から言うと、「私たちが見ている世界」「IT業界の現実」がズレているからです。

私たち一般ユーザーからしてみれば、データセンターの巨大なシステムも、手元の個人向けPCも、同じ「IT」という1つの世界観で見てしまいますよね。

どれも同じ半導体の進化なのだから、順番に並んでいるはずだ…と。

しかし、開発する企業側からすると、この2つは完全に切り離された「別世界」のビジネスです。

それぞれの世界が抱える課題や進化のスピードが全く違うため、結果として「第3のチップ」に誰を指名するかという捉え方に、大きな食い違いが生まれてしまっているのです。

では、もう少し具体的に「2つの世界」の話を進めていきましょう。

まず、私たち一般ユーザーが普段使う「個人向けPC」の世界。ここに関係してくるのは、CPU・GPUの次となると「NPU」までです。

極論、IPUもDPUもTPUも、一般ユーザーには一切関係ないと見て構いません。

だからこそ、個人向けPCの世界では【第3のチップセット=NPU】となります。

一方、インターネットの裏側にある「データセンター」の世界になると、話は一気に複雑になります。

データセンターでは、膨大な通信やネットワーク処理をさばくために「DPU」や「IPU」というチップセットが必須になりますが、厄介なことに、これらは「メーカーによって呼び名が変わる」という大人の事情を抱えています。

  • DPU: 主にNVIDIAを中心としたメーカー陣営が呼んでいる名前(※機能の詳細は後日の記事で解説します)。
  • IPU: まったく同じようなインフラ処理機能を持つチップを、IntelやGoogleの陣営が呼んでいる名前。

これを極端にわかりやすく例えるなら、Windows PCのCPUにおいて、AMD製を「Ryzen」、Intel製を「Coreシリーズ」と呼ぶのと同じようなもの

中身の役割(インフラ処理)はほぼ同じなのに、派閥によって名前が違うだけなのです。

そして、このインフラ用チップ(第3)のさらに先、Googleが超巨大AIを動かすために生み出したのが、第4のチップセットである「TPU」となります。

ここまでのカオスな状況をスッキリ整理すると、以下のイラストのようになります。

このように、メディアは「個人向けPCの話」「データセンターの話」か、それぞれの立場で報道しています。

私たち一般ユーザーはこれらをすべて「ITニュース」としてひと括りに見てしまうため、脳内でナンバリングにズレが生じ、チンプンカンプンになっていたわけです。

「家系図」で捉えれば、もうチップセットの数字に惑わされない

ここまで、個人向けPCとデータセンター用とで、第3以降のチップセットの扱いが違うとお話ししてきました。

結果として、その文字面だけを追っていると、なんだかややこしく感じてしまうかもしれません。

しかし、これを一種の「家系図」のようなものだと捉えてみてはいかがでしょうか?

家系図でいうところの「祖父母」にあたる共通の先祖を「CPU」だとします。

CPUにはAppleのMシリーズ、IntelのCoreシリーズ、AMDのRyzenシリーズなど色々な種類がありますが、個人向けだろうがデータセンターだろうが「第1のチップセット」である事実に変わりはありません。

その次の「父母」にあたる世代の「GPU」も考え方は同じです。NVIDIAのGeForceであろうが、AMDのRadeonであろうが、みんな同じ親世代の括りです。

そして、ここからが重要です。

次の「子ども世代」になったタイミングで、家系が2つに明確に枝分かれするのです。

  • 個人用の家系(あなた): 第3のチップセットとして「NPU」が生まれる。
  • データセンター用の家系(あなたのいとこ): 第3のチップセットとして「IPU/DPU」が生まれる。(※NPUはGPUに含まれるため、この家系では割愛されます)

つまり、NPUとIPU/DPUは、同じ祖父母(CPU)や父母(GPU)から枝分かれした「いとこ同士」のような関係なのです。

さらにデータセンター用の家系では、そのIPU/DPUの先にある「孫世代(第4のチップセット)」として、Googleの「TPU」という存在が派生してくる……。

このように、それぞれの立場で「別の枝葉の家系図」を見ているんだ程度に捉えておけば、今後はどんな報道を見ても、頭の中でスッキリと整理して理解できるのではないでしょうか?

私たち一般ユーザーの目線からすれば、確かにたくさんのチップセットが次々と登場している状況に変わりはありません。

だからこそ、わかりやすいように通し番号でナンバリングしたくなりますが、「企業やメーカー、そして語られる『世界』によって状況もナンバリングも違うんだ」ということだけ押さえておけば十分です。

難しく考える必要は一切ありません。

「それぞれのチップセットに役割があって、状況に応じてナンバリングが変わるんだな」と、なんとなく頭の片隅に置いておくだけで、今後は変に混乱しないで済むはずですよ。

まとめ

CPU、GPUに続く「第3のAIチップ」のナンバリングが報道によってズレていたのは、私たちが「IT」という一つの言葉に惑わされていたからです。

実際には、手元の「個人向けPCの世界(NPUが第3)」と、裏側の「データセンターの世界(IPU/DPUが第3、TPUが第4)」という、全く違う2つの舞台の話が混ざって報じられていたのが原因でした。

これを共通の「CPU(祖父母)」「GPU(父母)」から、子ども世代で「NPU」と「IPU/DPU」に枝分かれした「家系図」として捉えれば、話は非常にシンプルです。

メディアや企業によって見ている世界やナンバリングが違うんだな、と大まかに押さえておくだけで十分。

難しく考える必要は一切ありません。

これだけでもう、今後のITニュースで変に混乱することはなくなるはずですよ。

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