1話:明治5年の迷宮入り女学生失踪事件

私小説『電脳の竜と白理の狼 〜デジタルハッカーと明治のリーガル・ガール〜』

こんにちは。当ブログの主・神城綾音です。

今回新たな挑戦として、AIのアシストを受けながら私小説『電脳の竜と白理の狼 〜デジタルハッカーと明治のリーガル・ガール〜』の不定期連載をスタートすることにしました。

私が構築したオリジナルプロット(骨組み)をもとに、AIがどのように肉付けし、物語を膨らませてくれたのか……

そのビフォーアフターも含めて楽しんでいただければ幸いです。

なお、本作に登場する明治という時代は、史実をベースにしたフィクション(架空の明治時代)ですので、その点を踏まえて楽しく読んでいただければ幸いです。

では、すべての始まりとなる、明治5年の迷宮入り事件の物語からどうぞ。

神城綾音の脳内プロット:第1話「明治5年の迷宮入り女学生失踪事件」

『ハァ』『ハァ』『ハァ』
なにかに襲われ…逃げ惑う女学生の荒れた息だけが聴こえる物静かな渓谷…

女学生は橋を渡り逃げ通そうとするが、挟み撃ちに遭い橋ごと谷底に突き落とされてしまう…

谷底に突き落とされ行方不明となってしまった女学生は橘彩華(たちばないろは)。

明治5年に生まれた17歳の彼女は、現在、某女学園に通う法律家志望のリーガル・ガール。

父親の厳しいしつけもあって、『女たるもの武道の嗜みくらいは身につけておけ…』と弓道を嗜む彩華は、偶然にも同じ弓道を嗜む後輩が集団で上級生と思わしき女学生にいじめられているところを発見。

正義感がひといちばい強く放ってはおけないと感じた彩華は、『止めなさい!何やっているのあなた達!』とその現場に割って入り込む。

すると、上級生たちも『あんたには関係ないだろすっこんでろ!』とまくし立て、事態は大きくなる一方…

そこに学年主任の先生がやってきて、『お前ら何やっている!』と怒声が響く…

虐めにあっていた後輩はその様相に怯えるばかり…

彩華が代わりに学年主任に事の顛末を告げ、上級生たちは停学処分を受けることに…

その腹いせで、彩華はとある日の学校の帰り道で、その上級生たちに襲われ崖下に突き落とされてしまったのだった。

そして、帰りが遅いと心配になった父親が警察に連絡して、彩華の行方を捜索するのだが見つからず、行方不明の迷宮入り事件として処理されてしまうのだった…

AIに修正してもらった第1話の物語(全貌)

「ハァ……ッ、ハァ……、ハァ……ッ!」

静寂が支配する渓谷に、引き裂かれたような荒い呼吸だけが響いていた。 冷たい風が、うっそうと生い茂る木々を揺らす。 夕闇が迫る中、女学生の橘彩華(たちばな いろは)は、必死に泥を蹴って走っていた。背後からは、容赦のない複数の足音が迫っている。

――どうして、こんなことに…

彩華は明治5年に生まれ、現在は某女学園に通う17歳。時代は変わろうとしている。これからは女性も地道に法を学び、権利を主張する時代が来る。そう信じて法律家を志す、世間で言うところの「リーガル・ガール」だった。

厳格な父親からは、「女たるもの、己の身を護る武道の嗜みくらいは身につけておけ」と厳しく育てられ、弓道に打ち込む日々。彼女の心根は、その弓の矢のようにまっすぐで、正義感に満ちあふれていた。

すべての発端は、数日前の放課後だった。

「おい、無視してんじゃないよ! 暗気性の陰気泥棒が!」 「ちょっと弓の筋がいいからって、いい気になってんじゃないよ。そのウジウジした面、見てるだけで虫酸が走るんだよねぇ!」

道場の裏手から聞こえた荒々しい声に、彩華は足を止めた。 覗き込めば、数人の上級生たちが、一人の後輩を壁際に追い詰めているところだった。

その後輩は、普段からおとなしく、自己主張が苦手で地味な性格の生徒だった。うつむいて震える彼女の髪を、上級生の一人が手荒に引っ掴み、嘲笑う。

「……っ、す、すみません……」 「謝れば済むと思ってんのかい? あんたのそういう、ジメジメしてて何考えてるか分からないところが、底意地悪いって言ってんだよ!」

地味で目立たない性格であること、それ自体を理不尽に疎まれ、執拗にいたぶられている。 持ち前の正義感が、彩華の背中を突き動かした。放っておけるはずがなかった。

「止めなさい! 何をやっているの、あなた達!」

凛とした声で割って入った彩華に、上級生の一人が忌々しげに顔を歪める。

「あんたには関係ないだろ、すっこんでろ!」 「関係あります! 己の好悪で、大人しい者を理不尽に標的にするなど大逆無道。見過ごせるわけがありません!」

一歩も引かない彩華の態度に、上級生たちの怒気に火がつく。事態がいよいよ一触即発となったその時、重々しい足音とともに鋭い怒声が響き渡った。

「お前たち、そこで何をやっているッ!」

やってきたのは、学年主任の教師だった。 その威圧感に、いじめられていた後輩は完全にすくみ上がり、ただでさえ小さな身体をさらに縮めて声も出せない。彩華はすかさず、毅然とした態度で教師の前に進み出た。

「先生、お耳入れいたします。こちらの上級生方が、理不尽に後輩を恫喝しておりました。私はそれを制止していたところです」

彩華の理路整然とした説明により、言い逃れのできなくなった上級生たちには、厳しい「停学処分」が下されることとなった。

しかし、それが彼女たちの逆恨みを買い、最悪の結末を招く引き金になるとは、その時の彩華は知る由もなかった。

「待てっ! 逃がすな!」

渓谷に架かる一本の古びた吊り橋。 彩華はそこを渡りきれば逃げ通せると信じ、必死に足を進めた。しかし、橋の中ほどに達したとき、対岸の茂みから別の影が躍り出た。

「……っ!?」

挟み撃ちだった。 前後に立ち塞がるのは、あの時、停学処分を下された上級生たち。その目は憎悪に血走っており、何より彩華を戦慄させたのは、先頭に立つ女が手にした「薪割り用の斧(おの)」だった。

「よくも私達をあんな目に遭わせてくれたね……!」 「あの陰気な女の代わりに、お前が消えちゃえよ!」

彩華は一歩後退り、厳しい表情で叫ぶ。 「やめなさい! 刃物まで持ち出して、ただで済むと思っているのですか!」

「うるさい! あんたさえ、あんたさえいなければ!」

狂乱した上級生は、彩華に掴みかかるのではなく、冷酷な笑みを浮かべて橋の支柱を縛る太いロープへと斧を振り下ろした。

ザシュッ!!「なっ……!?」

激しい衝撃とともに、足元の板が大きく傾く。 上級生たちはあらかじめ安全な対岸へと飛び退いており、最初から彩華を橋ごと葬る算段だったのだ。

「これでも喰らいな!」ドスッ! バツンッ――!!

二太刀目、三太刀目が容赦なく振り下ろされ、ついに片側の主索が完全に切断された。 支えを失った吊り橋は、凄まじい勢いでねじれ、崩壊していく。

「あ……」

重力から解放された身体が、宙に浮く。 視界が上下に反転し、遠ざかっていく上級生たちの歪んだ笑顔と、迫り来る暗い谷底の濁流が目に映った。

「――お父様っ!!」

悲鳴は轟々と鳴り響く川の音にかき消され、彩華の身体は深い谷底へと呑み込まれていった。

その夜…
「……遅い。彩華の帰りが、あまりにも遅すぎる」

自宅の書斎で、父親は懐中時計を何度も見つめていた。 厳しい父親ではあったが、娘を愛する気持ちは人一倍強い。普段ならとうに帰宅している時間を過ぎ、外は完全に夜の帳が下りている。
胸を突く不穏な予感に耐えかね、父親はすぐさま警察へ駆け込んだ。

「娘が、橘彩華がまだ戻らないのです! どうか、どうか捜してください!」

父親の必死の訴えにより、翌朝から大規模な捜索が開始された。 彩華が通学路にしていた渓谷の周辺、そして彼女が落ちたと思われる橋のふもとまで、警察の手が入る。

しかし、不運にも昨夜の雨で川の水位は上がり、痕跡はすべて洗い流されていた。 彩華の教科書の一ページ、着物の切れ端さえも見つからない。

いじめられていた後輩は恐怖から何も語れず、上級生たちは何食わぬ顔で「何も知らない」と突き通した。当時の警察の捜査技術では、それ以上の足取りを掴むことは不可能だった。

こうして、法律家を夢見た一人の凛々しき女学生・橘彩華の失踪は、動機も真相も闇に葬られたまま、明治5年の『迷宮入り事件』として処理されてしまったのである。

彼女が消えた谷底には、ただ、冷たい川の音だけが今も虚しく響いている。

次回予告

上級生に追い詰められ谷底に落下した橘彩華…

もう私は死ぬものと覚悟を決めていたもの、何故か、電磁波で作られた渦が突如彩華を吸い込み違う次元へと引きずり込む。

そして彩華が訪れた先は…令和の時代で生きる引きこもり青年の自室だったのだが…

第2話【彩華と綾音の意外なバディ結成。謎のタイムリープ】でお会いしましょう。

まとめ

第1話はいかがでしたでしょうか?

時代は明治ですが、現代のいじめ問題にも通じる理不尽なサスペンスを描いてみました。

本作は、もともとLINEスタンプの制作をきっかけに生まれた企画です。

「神城綾音」と「橘彩華」という、全く異なる世界に生きる二人が困難に立ち向かう物語に、大好きなラブコメ要素を添えてお届けしたいと考えています。

対照的な二人をイメージしたタイトル『電脳の竜と白理の狼』の通り、ここから二人の運命がどう交わっていくのか。

次回の第2話も、ぜひ温かい目で見守っていただけると嬉しいです!

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